RPAに興味があるが、まずRPAの費用を踏まえて検討したいと考える方も多くいますよね。RPAは事務を効率化できる便利なツールですが、はたして自社の業務実態においてRPAが費用に見合う働きをしてくれるか気になるでしょう

RPAの費用は利用形態に応じて変わったり、RPAに適用させる業務範囲によっても予算感が変わってきます。ただ、RPAツールの種類とおおまかな料金を把握できれば、現行の業務コストと比較し、どの規模から導入すればよいかもつかめます。RPAの機能や適用範囲の厳選も大事ですが、コスト面からも具体的な導入の道筋をつけたいはず

そこで、今回はRPAの費用を軸にしたRPAの選定ポイントをお伝えします。

RPAとは

RPAのイメージ

RPAとは、人がパソコンでする事務作業をソフトウェアで自動化するツールです。作業手順をRPAに設定すれば、24時間365日、一定のスピードで正確に作業をこなしてくれます。また、RPAは特定条件での自動対応が可能なため、時間外の待機要員も不要になり働き方改革につながるでしょう。

RPAはシステムデータの参照、入力、集計・加工、分類ができるので、紙の書類を使う業務以外のほとんどのオフィス事務をこなします。RPAにはバックオフィスのタスク処理を任せることになるため、直接的な利益より工数削減による人件費や経費削減に貢献します。このため、直接的にRPAは利益には寄与しないものの、会社全体で見るとコスト低減による収益率向上効果が見込めるでしょう。

RPAの費用対効果は、個々の企業の業務実態や業務プロセス改善がどこまで進むかにもよって変わります。そして、マルチタスクで働くことが多い中小企業は、特定事務の専任者がいる大企業に比べてコスト削減効果が測定しにくい面は否めません。ただ、RPA導入で事務作業におけるミスが大きく削減できるため、業務品質の向上が見込めるでしょう。例えばダブルチェックや戻りの多い業務であれば、RPA導入は検討に値します。

なお、RPAにはサーバーで動作するタイプと、パソコンにインストールするデスクトップ型があります。一般的にデスクトップ型は端末単位でのライセンスとなり安価です。一方サーバー型は複数の端末で動作できるため高額で、ライセンスの付与単位(ユーザーもしくはサーバー)についても調べておかなければなりません。

RPAツールの種類

パソコンのイメージ

先ほどRPAの動作タイプを紹介しましたが、ここでは具体的なRPAツールを取り上げ、その種類を説明します。RPA導入に際し、多くの企業が検討候補にあげる国産RPAの「WinActor」を見てみましょう。WinActorはライセンス方式と機能によって種類が大別されており、利用目的に応じて選択できます。

  • ライセンス別
    • ノードロックライセンス
    • フローティングライセンス
  • 機能別
    • フル機能版
    • 実行版

WinActorはライセンス方式と機能を組み合わせて選ぶため、全部で4通りの種類があります。以下で詳しく説明しましょう。

ライセンスに応じた種類

RPAツールにはインストールしたパソコンでのみ動作するタイプと、管理サーバーを設置し複数のパソコンで動作できるタイプがあります。また、両者が併用できるRPAツールもあります。WinActorではどちらも用意されているので、必要に応じて選びましょう。

また、WinActorには利用形態別の年間ライセンスがあります。WinActorをインストールしたパソコンでのみ使える「ノードロックライセンス」と、同時に動作させられるパソコンの台数の範囲内で利用できる「フローティングライセンス」の2つです。なお、フローティングライセンスの場合、ライセンスを管理するサーバーを用意しなくてはなりません。

ノードロックライセンスは1台から利用可能なので、中小企業でも導入しやすいです。フローティングライセンスは複数の部署や拠点で利用したい場合に適しています。

機能に応じた種類

さらにWinActorは利用可能な機能によって2種類に分けられています。一つはシナリオ作成や編集・保存、実行などすべての機能を搭載した「フル機能版」と、もう一つはRPAのシナリオ読み込みと実行ができる「実行版」です。ただし、WinActorはフル機能版を1台以上購入しないと利用できません。また、RPAによっては動作させるシナリオの本数での課金制もありますが、WinActorはシナリオの本数の規定はありません。

ライセンスの追加購入においては、フル機能版と実行版のいずれも選べます。フル機能版を複数導入するのは、拠点ごとにシナリオの作成・編集をしたい場合、またRPA導入プロジェクトでフル機能版を複数台必要とするケースが想定されます。

RPAツール導入費用の目安は?

費用のイメージ

導入に際し、RPAにかける費用の内訳をざっとあげると以下になります。

  • パソコン、サーバーなどのインフラ整備
  • 初年度(初月)のライセンス費
  • シナリオ作成費(内製もしくは外部委託)
  • 教育コスト

WinActorでも他のRPAでも、取り扱い業者や外部支援サービスの利用の程度によって導入費用は変わります。参考までにWinActor導入における費用の目安を紹介します。 

【WinActorの費用目安】

  • ノードロックライセンス(パソコン1台あたり)
    • フル機能版 :約90万円
    • 実行版 :約25万円
  • フローティングライセンス(管理サーバー込み)
    • フル機能版1台+実行版2台:数百万円~ 

希望する構成における費用は、ベンダーに問い合わせるのが確実です。また上記に加えて、パソコンやサーバー、ネットワーク環境などのインフラ整備費用、RPAシナリオの作成委託費もしくは自社内製の教育コストもかかるでしょう。RPAの導入効果を確実にするには業務プロセスの整理やシナリオ構築に長けたITコンサルタントと相談することをおすすめします。

なおRPA導入に際してはまとまった投資が必要となるため、改良を加えつつ長期的に運用をしていかないと費用対効果が望みにくいので、注意しましょう

RPAツールを選ぶ際のポイント

選ぶイメージ

さらに、導入後のRPAの費用以外にもツールを選ぶポイントがありますそれは、継続的なメンテナンスとリスクへの備え。保守体制をどう構築し、それに対する手当や費用をどうすべきか考える必要があるでしょう。

他の業務システムと同様に、RPAも導入すればあとは自律運用してくれると考えてがちですよね。実はRPA導入による効率化が後工程の滞留と停滞を発生させるなど、業務プロセスの調整が必要になることもあります。また、ほんの短い間に業務環境が急激に変化し、プロセスの再構成が必要になる可能性もあるでしょう。

またRPAの運用において、エラー発生や思ったとおりに動作しないがために業務が滞る事態も想定されます。社内連携や顧客への連絡など、そんなときのリスクマネジメントやフォロー体制の整備も必要です。

RPAは導入すれば「ひとまず終了」とはならず、継続的なメンテナンスが必要です。そうなると、運用におけるRPAの費用はライセンスの継続費のほか、社内の保守要員の育成・配置費用、もしくは有償サポート費の引き当てを考慮しなくてはなりません。ベンダーなどの外部支援に頼らざるを得ない場合、有償サポートの条件を確認しましょう。

さて、今回はRPAの費用を軸にしたRPAの選定ポイントをお伝えしました。

RPAは事務を自動化するもので、戻りの多い工程、定期チェックや待機が必要な業務なら、中小企業でも費用削減効果は出てきます。

ベンダーによって異なりますが、一般的にRPAツールは稼働形態別に種類分けされています。

  • サーバーを介し複数のパソコンで稼働
  • 特定のパソコンでのみ稼働

RPAの費用の目安として、WinActorのライセンスを例にすると以下になります。

  • ノードロックライセンス(稼働するパソコンを限定)
  • フル機能版 :約90万円
    • 実行版 :約25万円
  • フローティングライセンス(稼働するパソコンが限定されない)
    • フル機能版+実行版2台:数百万円~

RPAは導入後も継続的に改良やメンテナンスが必要で、思わぬリスクに対するフォロー体制も整備したいもの。そのため、有償サポートの条件を事前に確認しておきましょう。

RPAの費用対効果を大きくするには、コスト削減だけでなく、生産性が向上できたかも重要です。実際に、単純事務から収益を生む業務への転換が進むかどうかも考慮したいですよね。RPAのおおまかな費用感を把握できたら、RPA導入に向け本格的な検討に移りましょう。